法務-会社法

 

大企業のように法務部がない企業でも、事務の業務の一つとして法務に関わることがあります。法務の実務は間違いがあると会社全体に大きな影響を及ぼし、慎重さが求められます。一人前になるには3~5年ほどかかり、実務経験と知識のバランスが重要になってきます。そこで今回は、法務の仕事で実務を身につけるのに役立つおすすめの本を5冊紹介します。焦らずじっくり学んでプロフェッショナルを目指しましょう。

 

仕事全体をザックリ把握

企業法務バイブル 第2版

出版社 :弘文堂
著者 :畑中鐵丸 畑中鐵丸法律事務所
価格(税抜) :6000円
ページ数 :768ページ
発売日 :2013/12/24
ISBN :9784335355738
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企業が関わる法律は幅広く、いざ勉強を始めようとしてもどこから手を出したらいいのかわかりません。詳細な解説がされた法律書は分厚く高いものが多く、勉強のためだからといって闇雲に買うこともできないです。各種法律のどこの部分が、どんなふうに使われているのかを知ってから勉強を始めた方が効率出来です。

この本では企業法務に必要な法律知識全般を、実務に沿った形で学ぶことができます。経営全体の政策や法務戦略から始まり、各論では労働法務や独禁法実務、ネットトラブル対策法務などを、図を使いながら丁寧に解説しています。業務のなかには頻繁に発生しないものも多々あるので、仕事に慣れてきたときの再確認にも使うことができます。

本書を読めば法務としての仕事の全体像がつかめ、どこから勉強を始めたらいいのが分かります。法律知識の重要度は業界や企業規模によって変わるので、見極めながら学んでいきましょう。

 

社内外を納得させるテクニック

法務の技法

出版社 :中央経済社
著者 :芦原一郎
価格(税抜) :3200円
ページ数 :289ページ
発売日 :2014/6/13
ISBN :9784502107214
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法務の業務は大きく分けて、「契約・取引法務」、「組織法務」、「コンプライアンス法務」、「紛争対応法務」の4つがあります。どれも基本は人が関わる業務で、立場は上司や同僚に部下、他部署に取引先などです。人間関係のトラブルが起きやすく、上手く対処しないと最悪な事態が起こることもあります。

この本では社内弁護士として活躍している著者が、実際に起こりうる具体的なトラブルの解決策を紹介しています。80をこえるテーマが収録され、1テーマ3ページでまとまっているので、使いやすいです。内容は長年先輩や上司が培ってきたテクニックが文章化されている形なので、OJTで習った内容の復習にもなります。

読むだけでなく書かれている内容を実際に試して、自分や会社にあった形にしていけば、無用なトラブルもなくなります。問題の背景まで想像できるようになれば、書類に書くべき文言にも配慮できます。

 

会社の財産をフル活用

技術法務のススメ

出版社 :日本加除出版
著者 :鮫島正洋
価格(税抜) :3450円
ページ数 :379ページ
発売日 :2014/7/1
ISBN :9784817841681
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自社の持っている独自の技術は大きな財産です。有効活用できれば経営戦略を国内から海外にも広げることができ、新たな利益を生み出します。法律の知識を駆使すれば、技術の発案者が想定していなかった付加価値を生み出すこともできるでしょう。これからの企業の成功には、法務の力の重要性が増しています。

この本は直木賞を受賞した「下町ロケット」の登場人物のモデルにもなった人によって書かれています。実践的な特許ライセンス契約や秘密保持契約など、具体的な実務な解説です。契約書のひな形も掲載されているので、初めて行う実務でも見落としなく契約内容を詰めていくことができます。

共同開発しているときに、相方の会社に単独で特許を出願されたりしたら、目も当てられません。自社の財産を守り、利益につなげるためにも、抜かりのない技術法務の知識を学ばなければなりません。

 

判断基準を身につける

勝利する企業法務

出版社 :レクシスネクシス・ジャパン
著者 :湊総合法律事務所
価格(税抜) :3400円
ページ数 :436ページ
発売日 :2014/6/30
ISBN :9784902625820
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いくら法務部で専門的な知識を持っているといっても、弁護士程法律に詳しいわけではありません。今受け持っている案件が、自分で処理できるかどうかの判断をしないと、大きな失敗を犯してしまいます。できることとできないことの基準を曖昧し続けるのは、法務を担当する者としてやってはいけないことです。

この本では、最強の会社を作ることをテーマに、交渉や裁判に勝ったり、債権を確実に回収したりするための方法を解説しています。契約書を作成するときは、問題が起こって裁判になっても勝つことを念頭に内容が吟味されています。加えるべき条項の具体例もあるので、いざという時でも安心できる契約書が作成できます。解説業務のそれぞれに弁護士の活用法があり、迷いなく実務をこなせるでしょう。

本文は難しい法律用語を最低限に抑えて簡素な文で書かれているので、まだ法務として働きだしたばかりの人でも読みやすくなっています。全てのケースで最悪の事態を想定しているから、普段の業務でチェックするべき項目を作れば、仕事の精度が上がります。

 

新たな制度に迷わず対応

迷ったら使う! マイナンバー実践ガイドQ&A

出版社 :労働調査会
著者 :野中武
価格(税抜) :2500円
ページ数 :304ページ
発売日 :2016/2/16
ISBN :9784863195295
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マイナンバー制度は平成28年1月から始まった制度だから、社内にノウハウの蓄積はありません。上司や先輩も初めて扱うものだから、スタートラインは誰もが一緒です。今後法改正も進み、適用範囲が広がるから、早く対応しておかないと、予期せぬところで罰則が発生するかもしれません。常に法改正を気にしながら、基本から身につけましょう。

この本ではマイナンバー制度の概要から適用範囲、導入するために必要な具体的なこと、想定される問題にたいするQ&Aまで解説しています。事前の知識がなくても本文を読むだけで、必要な書類の作成をすることができます。マイナンバーの扱いの中で提供や保管に関しては徹底しておかないと、後で問題が起こりやすいので注意が必要です。

巻末に収録されている各種書類の文例を参考に、自社で書類を作成してください。事前の準備をしておかないと、これから先契約一つかわすことができなくなるかもしれません。