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大手企業でも倒産のリスクのある現在、給料がいくら伸びていないからといって、安易に起業や転職を考えるのはリスクが高いです。起業は10年後の存続率が1割で、転職は即戦力で管理職もできる実力がないと給料ダウンという現実から目を背けてはいけません。給料を増やすなら社内での出世に力を入れ、どこでも通用するスキルを身につけるのが近道です。必要なスキルの中でも会社の数字を読みこなせるようになれば、将来の見通しが良くなります。そこで今回はファイナンスが身につく本を紹介します。読み応えのある本ばかりですが、目先の数字にとらわれない価値のある仕事ができるようになります。

 

企業のお金の流れが分かる

ファイナンシャル・マネジメント 改訂3版

出版社 :ダイヤモンド社
著者 :ロバート・C.ヒギンズ グロービス経営大学院
価格(税抜) :4400円
ページ数 :552ページ
発売日 :2015/2/27
ISBN :9784478027721
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社会人になってからも数字や数式にアレルギーを持っている人は多いです。しかし仕事では売上、経費、予算などあらゆる場面で数字が関わってきます。これらの数字は会社経営に関する財務を学んでおけば、自分の今やっている仕事の見方が変わってきます。会社の将来性や魅力に気づくきっかけにもなり、仕事にハリが出るでしょう。

この本では、難しいと思っていた経営に関わる資金調達や投資・運用、回収、再投資の一連の流れを、1冊で学ぶことができます。解説は財務諸表から始まりますが、数式は少なめで具体的な事例から内容を読み解けます。各章末には問題があり、ゼロから解けなくても答えを見れば仕事の参考になるでしょう。企業が資源を配分するための判断基準である数字の読み方も丁寧に解説され、自分の仕事の立ち位置の判断にそのまま使えます。

ヒギンズのファイナンス論を用いれば、複数の案件を抱えている時どの仕事を優先するべきかが判断できます。利益が少ないからと切ってしまいがちな所を、キチンと将来性を把握し成果につなげられるようになるでしょう。

 

起業の知識で新規事業立ち上げ

起業のファイナンス 増補改訂版

出版社 :日本実業出版社
著者 :磯崎哲也
価格(税抜) :2300円
ページ数 :378ページ
発売日 :2015/1/16
ISBN :9784534052452
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平社員でコツコツ働いているだけでは、昇進の機会はなかなか巡ってきません。職種によったらアピールするような業務もなく閉塞感を持ってしまいます。閉塞感を打破するための強烈なアピールとして、新規事業の企画があります。成功すれば活躍する場が生まれ、評価されやすいです。しかし企画立ち上げに何から取り組んだらいいのか迷ってしまいます。そこで参考になるのが起業家の考え方です。事業計画、資金繰り、事業価値の創出などやるべきことは一緒です。経営者になったつもりで勉強してみましょう。

この本ではお金の回し方をメインに、事業の立ち上げ方を学ぶことができます。事業計画書の作り方は予算獲得に繋がり、企業価値の評価のやり方から上手くいっていないところの改善策が見つけられます。読むほどにいままで意識していなかった会社のお金の流れが、手に取るようにわかるようになります。会社の登録のやり方やストックオプションを使った資金繰りは、社内の事業だと使えませんが、事業が成功して独立を視野にいれているなら必要になってきます。

新規事業の立ち上げの知識は、年をとってから会社にもしものことがあった時でも、取れる選択肢の幅が広がります。現在の昇進チャンスを掴み、将来のリスクを軽減するためにも、学んでおいて損のない知識です。

 

どうせ学ぶなら世界標準

コーポレート・ファイナンス 第10版 上

出版社 :日経BP社
著者 :リチャード・A.ブリーリー 他
価格(税抜) :6000円
ページ数 :800ページ
発売日 :2014/6/20
ISBN :9784822248604
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ファイナンスの知識は必要なものだと認識していても、難しいという意識がありなかなか勉強をはじめられません。しかも半端な知識では痛い目を見るだけなので、どうせ学ぶなら世界でも通用する標準的な知識を身につけたいです。専門の学校でもテキストとして使われる本を選んで、自宅でじっくり読んでみましょう。

この本は発行から30年以上たった今でも改訂を繰り返し、MBAの授業でも使われる定番のファイナンス本です。上下巻に分かれていて、上巻では「価値」「リスク」「資本支出予算におけるベストプラクティス」「資金調達の決定と市場の効率性」「利益還元政策と資本構成」の5項目を扱っています。この10版では行動ファイナンスやエージェンシー問題など、危機を克服するための検討が追加されています。一度読んで改訂版が出るごとに読み直せば、いざという時でも対処できるようになるでしょう。

初めて勉強する本としては、上巻だけでも800ページと大ボリュームだから、挫けそうになるかもしれません。しかし分厚いからこそ丁寧に書かれた考えは、迷ったときの辞書代りになります。企業財務の基礎をしっかり学べば、管理職になっても遅れを取ることはなくなります。

 

使いこなせてこそ意味がある

道具としてのファイナンス

出版社 :日本実業出版社
著者 :石野雄一
価格(税抜) :2400円
ページ数 :286ページ
発売日 :2005/8/25
ISBN :9784534039484
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ファイナンス関連の本を何冊も読んで分かったつもりになっていても、仕事の現場で使いこなせなければ、学んだ意味がなくなってしまいます。小難しい数式も必要になってくるのはその結果のみです。現在はExcelなど便利なツールがあるのだから使わないのはもったいないです。具体的な利用方法を学んで、仕事の結果につなげましょう。

この本では、100冊以上の本を読んでMBAを苦労して取得した著者が、Excelを使った実務にまで言及してファイナンスを解説しています。企業価値評価やリスクなどの数値化は、管理職でなくても営業をかける段階で重要な指針になります。上記で紹介した本に比べてボリューム不足に見えても、理論の肝はおさえているから、ファイナンスの初心者でも業務で困ることはないでしょう。

出版されたのが2005年と古く、ファイナンスの理論は日々進化しています。実際に活用する場合は、本文で紹介されている分析方法に加えて、手持ちの最新のツールを使っていきましょう。そうすれば分析の確度が上がってくれます。

 

時代に合わせて知識をバージョンアップ

カール教授のビジネス集中講義 金融・ファイナンス

出版社 :朝日新聞出版
著者 :平野敦士カール
価格(税抜) :1500円
ページ数 :230ページ
発売日 :2016/4/7
ISBN :9784023314856
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ファイナンスの原理原則は時代が変わっても大きな変化はありませんが、新しいトピックはいくらでも増え、対応できないと他社に差をつけられるでしょう。現在で言えばファインテックや仮想通貨などが、あらゆる業界に影響を及ぼすと予測されています。一度ファイナンスを学んだことがある人も、これから学び始める人も、ロングセラーの定番以外にも目を向けて、知識を収集しましょう。

この本では新しいファイナンスの概念に触れながら、ファイナンスの基礎を「実行できる」レベルで学ぶことができます。プラットフォーム戦略やPEST分析など用語の解説は、実業家が読んでも参考になるぐらい詳しく書かれています。また用語には英語訳が付属して、海外に行っても勝負ができるようになっています。

これからの時代ビジネスマンにとって、「IT」「英語」「ファイナンス」は必要不可欠なものだと、著者が所属するBBT大学の大前研一氏も述べています。公的年金に不安がつきまとう昨今、ファイナンスの考えは仕事だけでなく私生活にも力を発揮してくれます。学ぶのが早ければ早いほど、金銭的余裕が生まれやすくなるでしょう、