介護の仕事は、「人の役に立ちたい」という高い志を持って頑張っていても、現実は辛く日々の業務でボロボロになってしまいます。長年勤めている人でも苦労が絶えないのに、新人ともなるとまだ不手際も多く入居者に迷惑をかけてしまいます。そこで今回は現場の実務がはかどるおすすめの本を紹介します。日々発生する問題を解決して、心身共に負担を少しでも減らしていきましょう。
日々のケアで問題発生予防
介護現場で今日からはじめる口腔ケア
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年を重ねてくるとキチンとケアをしていなければ、口の周りはすぐに弱ってしまいます。弱ってくるとよだれや食べこぼしが発生し、補助をしようにも嫌がる人もいるので、介護するのに苦労します。毎日続くことなので対策をしておかないと、仕事が減ることはありません。
この本では現場ですぐでいる口腔ケアと、口腔機能を向上させるリハビリ方法を紹介しています。全ての事例が具体的で、歯磨きをするときの磨き方や入れ歯の外し方、レクリエーションとして楽しめる健口体操などがあります。困ったときの対処法も現場でよく見かけることなので、介護を迷いなく実行できるようになります。
口が弱っていくたびに介護の手間は増えていきます。日々のトレーニングで進行は抑えられるから、施設でなにも対策をやっていないのなら、早期に導入しましょう。
どんな人にも配慮を欠かさない
写真でわかる重症心身障害児(者)のケア
出版社 | :インターメディカ | |
著者 | :八代博子 鈴木康之(小児療育) 舟橋満寿子 | |
価格(税抜) | :3800円 | |
ページ数 | :271ページ | |
発売日 | :2015/2/6 | |
ISBN | :9784899963301 |
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自分の行った介護で、間違いや嫌だったことをハッキリと伝えてくれれば改善をしやすいです。しかし入居者の中には重症心身障害児(者)もいるので、コミュニケーションがうまく取れない場合があります。つい自分勝手な思い込みでケアをして、入居者に対して嫌な思いをさせてしまいます。どんな人にも細心の配慮が必要です。
この本では重度の障害を抱える人たちを支援するために、リハビリの基本や個別のケアの実態、生活を広げるためのケアの方法などを紹介しています。800点を超える写真を使って解説しているから、実践で失敗をすることもなくなります。東京小児療育病院・みどり愛育園で長年にわたって培われた知識は、初めて障害者の介護に関わる人には気づけない細かな配慮が行き届いています。
もし自分が同じ立場だったらどんなケアをされたら嬉しいのかを考えさせてくれる内容です。介護した時の反応は、ハッキリと言葉にできなくても入居者なりに示しています。反応を見逃さず相手の立場になって介護をしましょう。
特性を理解し根気強く対応
認知症の9大法則50症状と対応策
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認知症の人への介護は多くの困難が付きまといます。暴言、暴力行為、介護拒否といった症状が現れだすと、介護する側も嫌厭する人が増えます。この状態が続けばベテランの介護士でも根を上げ最悪虐待に繋がってしまします。何故そんな行動をとるのかを理解して、接し方を改めないと事態は改善しません。
この本では認知症の症状をパターン化し、徘徊や入浴、排泄などテーマごとに患者の気持ちや対応策を解説しています。予想外の行動をとったように見えても、理由はキチンとあります。著者の「相手の立場に立てば、たいていのことは理解できる」という言葉どおり、理由が分かれば不思議に思うこともなくなります。
上手くコミュニケーションが取れなくなっても、貴方の言葉や行動はしっかりと認識されています。いい加減な対応をせず、根気強く信頼関係を気づいていけば、認知症の症状は改善し介護の負担も減少します。
みんなで楽しくレクをする
車いす、片マヒの人もいっしょにできる 高齢者のレクリエーション
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介護の仕事の中でレクリエーションの企画・運営は悩みの種の一つです、施設入居者の体の状態は人それぞれで、普通に歩き回れる人もいれば、車いすを利用したり片マヒがあったりと体の不自由な人もいます。みんなが楽しめるものでないと、折角レクリエーションをしても不満を増やすだけです。
この本では体が不自由な人でも楽しめるように、「体を使うもの」、「頭脳を使うもの」、「絆を深めるもの」などタイプ別にレクリエーションのノウハウを紹介しています。ただレクリエーションのやり方を説明するだけでなく、導入の仕方やレクリエーション中の配慮まで解説しているので、使いやすいです。
レクリエーションは定期的に行うものだから、一から企画を作っているとすぐにネタ切れになってしまいます。まずは本書の内容をそのまま実行して、配慮するべきポイントをおさえられたら、自分なりにアレンジを加えていけます。
体を壊さず安全な介護
もう限界!!腰を痛めずラクにできる介護術 補訂版
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介護の現場は常に人手不足なので、十分な教育を受けないまま仕事を任されていくことがよくあります。介護の仕事はハードな肉体労働が多く、無理な姿勢で介護をしていると、介護者の体は壊れ入居者にケガをさせてしまう可能性があります。介護には体に負担の少ない補助の仕方があるので、学んでおきましょう。
この本は、自宅で寝たきりの高齢者を介護するためのノウハウをまとめた本です。2~4章は食事や入浴、排泄の基本的なやり方で、介護施設なら設備が整っているので、より楽に実行できます。5、6章の体位変換や腰を痛めない介護は、どこで介護する場合でも変わらず使えるテクニックで、すぐに実践するべきものです。
介護の仕事を長く続けるためには、自分の体調管理は疎かにできません。特に腰は一度壊してしまうと治ることはなく、日常生活にも支障が出てしまいます。相手のことを思って介護を頑張ることはいいことだけれども、自分の体も労わりましょう。