営業-売上アップ

 

企業が存続していくためには、何かを売って利益を出していかなければなりません。販売するものがサービスであれ現物であれ、当初予定していた顧客で売上が伸び悩むなら、手法を変える必要があります。新規開拓やマーケティング分析、新たな価値観の付与など、どれも一筋縄ではいきません。そこで今回は物を売るための新たな視点が身につく本を紹介します。事例を試せば、自分がいま扱っている商品の売り上げをもっと伸ばすこともできるでしょう。

 

新商品開発しなくても売り上げは伸ばせる

不良在庫は宝の山

出版社 :マイナビ出版
著者 :竹内唯通
価格(税抜) :850円
ページ数 :192ページ
発売日 :2015/6/24
ISBN :9784839955755
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商品を売る側にとって不良在庫はなんとしても減らしたいものです。しかし今までやってきた方針で販売努力を続けていたら、かけた労力のわりに売り上げは伸びません。不良在庫はあるだけで維持費がかかるから、何もしなくても最終利益に影響がでてしまいます。もうどうしようもないという時に、世の中の成功例も実は不良在庫から生まれたものであることを知ると、もうひと頑張りできます。

この本では不良在庫を生きた商品にするために、何をすればいいのかを学ぶことができます。やるべき施策は「広告ターゲットを変える」「広告表現を変える」「商品名を変える」「商品パッケージを変える」「バンドル販売」の5つです。すべて元の商品自身には手を加えないから、販売部署だけでどうにかすることができます。成功例として紹介されている「ホンダのスーパーカブ」や「エスエス製薬のハイチーオールC」は、エピソードを読めば納得の手法です。

不良在庫の処理手段として値下げを実行する前に、この本のノウハウを試してみてください。元の商品の品質にさえ問題がなければ、販売の可能性はまだ残っているはずです。

 

競争相手がいないから一人勝ち

「ない仕事」の作り方

出版社 :文藝春秋
著者 :みうらじゅん
価格(税抜) :1250円
ページ数 :175ページ
発売日 :2015/11/24
ISBN :9784163903699
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いま売り込みをかけている商品のライバル会社はどれだけいますか?ライバルが多いほど商品の良さで差をつけにくく、顧客は目が肥え自ら情報収集して少しでもいいものを選んでいきます。そこで営業側としてできることの一つが新しいにターゲットを探すことです。新しいターゲットが見つかれば、ライバルがいないので、同じ労力で数多く売ることができます。ゼロから1を生み出すには、柔軟な発想がいるので、実践している人から学んでみましょう。

この本は、漫画家やイラストレーター、エッセイストにミュージシャンなど多方面で活躍し、数々のブームを仕掛けてきたみむらじゅんによる仕事術の本です。ブームの仕掛け方は、一人でネタの発掘からメディアへの魅せ方まで検討し売り込みをしています。新しいネタを作るためにやっていることは、「A+B=AB」ではなく「A+B=C」になるように物事を考えることです。AとBは真逆なものを選んでいます。他にも形のないものに名前を付けたりして、ネタのとっかかりにしています。

みうらじゅんのルールに則り、今販売している商品のターゲットを絞り込むときに真っ先に外した層に売る理由を考えられれば、一大ブームとなります。販売に行き詰ったら、まずは他人がやっていないことを探してみましょう。

 

理念を見直せば即座に好転

限界はあなたの頭の中にしかない

出版社 :PHP研究所
著者 :ジェイ・エイブラハム  島藤真澄
価格(税抜) :1500円
ページ数 :236ページ
発売日 :2015/4/23
ISBN :9784569825267
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売上を上げようとした場合、既存の顧客で限界を感じたら新規顧客の開拓に乗り出します。しかし新規の開拓は明確なノウハウがなければ時間がかかり、売上予想も未知数です。悠長に分析をしていたらライバル会社に先を越される可能性もあるので、頭を抱えます。そこで役立つのがマーケティングの原則に立ち返ることです。

この本ではアメリカのカリスマ的マーケターであるジェイ・エイブラハムが、マーケティングの原理原則や理念、心構えを丁寧に説明しています。営業としてやるべきことは、「1:買ってくれる人の数を増やす」「2:その取引額を増やす」「3:購買の頻度を増やす」のたった3つであると思い出せます。特に3は一度買ってくれた人に売るのだから、新規に売るより購入確率は格段に高くなります。

営業としてはついつい売り上げた結果にだけ目がいき、成功した手法をブラッシュアップします。だけどそれが行き詰ったら、失敗したことにも注目してみましょう。限界だと思っていた売上にプラスアルファの実績が残せるかもしれません。

 

センスは今からでも鍛えられる

マーケティング・センスの磨き方

出版社 :マイナビ出版
著者 :黒澤晃
価格(税抜) :850円
ページ数 :240ページ
発売日 :2015/2/21
ISBN :9784839953294
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マーケティングの成功にデータの分析は必要ですが、それだけで成功し続けるのは困難です。ビジネスモデルには転換期があり、顧客発見のイノベーションが求められるようになってきました。具体的に何をすれば顧客発見ができるかは自身のセンスにかかっています。センスは先天的なものと思われがちですが、後天的に鍛えることができます。実例を見ながら勉強してみましょう。

この本では、博報堂で35年間活躍してきた著者による、具体的なマーケティングセンスの磨き方を学ぶことができます。センスアップの近道は、「カスタマー」「コスト」「コミュニケーション」「コンプライアンス」「クリエイティブ」の5つのCへの注目です。分析も「分析→仮説から「仮説→分析」の順序でやれば、分析結果や次の挑戦への出発点になります。成功例として紹介されているパイロットの万年筆「カクノ」や、ソニーの商品づくりのように、商品に思いを乗せれば価値が上がります。

センスがないからと諦めていた人も、本文の内容試してみましょう。相手からはいつも違った反応が期待できます。データ収集、商品づくり、販促の仕掛け、企画の説得など、マーケティングのあらゆるところでセンスが必要です。磨くほどに結果につながっていきます。

 

年齢と意識は別物

50歳を超えたらもう年をとらない46の法則

出版社 :講談社
著者 :阪本節郎
価格(税抜) :880円
ページ数 :224ページ
発売日 :2014/9/23
ISBN :9784062728676
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マーケティングの顧客分析で、顧客の年齢は傾向を知るために重要なファクターです。しかし現在見た目の年齢と売れているものに大きな変化が表れています。50代の人と30代の人の傾向が似ていたり、いつまでも若々しい姿を保つ60代がいたりします。もっとも人口比率の多い40代~60代の意識変化に注目すれば、新しい発見があります。

この本では40代~60代の世代にどんな変化が起こっているのかを、46の項目で解説しています。「最先端を走り続ける」「つねに何か新しいことを始める」「会社はリタイアしても社会はリタイアしない」など、年をとってもアクティブな活動が多いです。若者文化と同じように、この年代でも一つの文化が形成されています。

本文からわかることは、いつまでも年齢相応のマーケティングをしていると失敗するということです。見た目より意識の年齢に注目して営業の手法を考えれば、新しい切り口が見つかります。対応できればシニアビジネスを制することも可能でしょう。