自分はまだ平社員だから、経営者の成功話を読んでも実感がわかないと思っていませんか?たしかに人はいくら名言、教訓を知っても、実体験が伴っていないとすぐに忘れてしまい、よくある失敗をしてしまいます。しかしだからこそ何度も本を読む意味があるのです。 実体験がなくても何度も読んでいれば、全て忘れることはなくなります。今回紹介する本で合計20冊になりますが、成功の実例は他にも数多くあります。読んで見たい本がこの中になくても、紹介した本を足掛かりにして検索してみてください。きっと気になる成功話が見つかります。
社員、お客様、会社が丸くおさまる経営
まかせる経営 ノルマをなくせば会社は伸びる
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重永忠はハーブ・アロマテラピー業界で、社員満足度「東日本1位」売上「業界1位」を達成した、株式会社生活の木の代表取締役CEOです。生活の木には社員にノルマがなく、代わりに社員のやる気を引き出す創意工夫と、土台がしっかりとした経営があります。成功を続けている経営方針を知れば、仕事とはこうありたいと納得できます。
この会社の経営方針の根っこには社員、お客様、会社の3つにとって都合の良いことを上手く回して、結果につなげることです。「売上が悪くても取引業者のために安定した仕入れをする」、「会社の利益を社員の給料水準に反映させる」「会社にとって良いルール違反なら許す」など、結果を残している会社の経営には思わず納得するルールがあります。
仕事で上手く結果の残せないリーダーは、この本を読めば仕事の仕組みに問題があることに気づけます。社員をやる気にさせる具体例は、これまで結果を残せない部下を怒鳴ってばかりいた人なら、部下に良い変化を与えられるでしょう。
挑戦続ける決断のエピソード
プロ経営者新浪剛史
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新浪剛史は、窮地に陥っていたローソンを11年連続増益に導き、長年同族経営だったサントリーに社長として招かれた一流の経営者です。成功するために行ってきたマネジメントや後継者選びのポイントは、部下の育成がうまくいっていないリーダーなら、思わずうなずけます。
この本はコンビニ業界を専門に扱うジャーナリストによって、新浪剛史のローソン時代の苦労や、社長交代のエピソードが書かれています。「自分からピエロ役をかってでて場の雰囲気をよくする努力をする」「なにかあったとき自分で解決策を提案できる社員を育てる」「下から悪い情報も上がってくる環境を作る」などは、エピソードを参考にしながら実践しやすいです。
紹介されている新浪剛史の足跡は、成功するためのロールモデルの一つとなります。成功はしたいけれど、何をすればいいのかわからないなら、まずは1つでもマネすることから始めれば結果に繋がっていきます。
全てに突き抜けた情熱
セゾンファクトリー 社員と熱狂する経営
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齋藤峰彰は、全国のデパ地下で高級グロッサリーを扱い成功を収めているセゾンファクトリーの、創業者で代表取締役社長です。設立は1989年と後発のメーカーながらも、競争の激しい業界で実績を残しているマネジメントやブランド戦略は、開発された1つの商品にさえドラマが見て取れます。
この本で語られるセゾンファクトリーの裏側は、オシャレな商品イメージとは裏腹に「超体育会主義」と言われるほど、1つ1つの仕事に全力投球しています。「社員は家族という発想で社員とイベントを行いコミュニケーションする」、「最高のブランドのため、扱う全ての商品が優れているよう努める」「店長の裁量は広く、販売計画の立案や地域の素材を使った新商品の提案もする」など、大変と感じてしまいそうだけど実りのある働き方です。
商品の扱いや社員との関わりあい方は特殊な例が多いけれど、ここまで突き抜ければ成功できるといういい例です。この本を読めば、中途半端に仕事を頑張っている自分に発破をかけてくれます。
仕事を充実させるためのアドバイス
おもしろおかしく 人間本位の経営
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堀場雅夫は学生ベンチャーの草分け的存在で、大学在学中の1945年の堀場無線研究所を創業しました。株式上場を果たし1978年に53歳で社長を引退した後も、日本新事業支援機関協議会会長や京都市ベンチャー企業目利き員会の委員長などを務め、90歳で亡くなるまで起業家の育成に力を注いだ実業家です。亡くなる1年前に出版されたこの本には、経験に裏打ちされた含蓄のある言葉が溢れています。
「人間本来の欲望を抑えるな 欲が少ない人間は役に立たない」、「退職金なんか当てにせず、自分の力で人生をおもしろくせんかい」、「社員が嫌々働く会社は、ろくな品物を作らない」など、働く側、経営側にとってドキリとしてしまう言葉です。著者が提案する芸術的・創造的なプレイヤーとしての働き方は、これからの時代を生き残るために必要な働き方です。
働き始めたころにこの本を読むよりも、仕事に慣れた20代後半ごろに読んだ方が、言葉の意味がよく理解できます。後半部分には40代以降の働き方のアドバイスもあり、これからの生き方のヒントになります。
目標達成のための具体的な戦略
鳥貴族「280円均一」の経営哲学
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大倉忠司は、2016年に上場も果たした居酒屋系焼鳥屋「じゃんぼ焼鳥 鳥貴族」を創業し、代表取締役社長を務める経営者です。多業態を進める企業が多い外食産業で、「寿命がない永遠の業態を目指す」として、鳥貴族1本で勝負を挑む戦略には、徹底したこだわりがあります。
「メニューを絞り、常に一定にする」「280円均一だけど、安さ以外を『売り』にする」「技術をシステムで代用してコストカット」など実行されている戦略は、目標に向かってブレがなくよく吟味されています。店舗拡大のフランチャイズ化も、加盟店を厳選しているので急速に増えている店舗でも質が保てています。
鳥貴族の成功は具体的な経営戦略があったからこそ今日に続いています。自分の関わる業界で方法論は異なるけれど、成功のためには鳥貴族のように明確な目標とそこにたどり着くための具体的な戦略が必要です。