仕事-ストレス

 

仕事の悩みで実務的なものは経験や勉強で解決できますが、心理的な悩みはなかなか解決しません。感情のコントロールは難しく、怒りや嫉妬、苛立ちに諦めなどの原因になることはいくらでも発生します。そこで今回は心理的な悩みを解決するための基本的なことが分かる本を5冊紹介します。スッキリした気持ちで仕事に挑めれば、良い結果を残しやすくなります。

 

一呼吸ついて冷静に

「怒り」がスーッと消える本

出版社 :大和出版(文京区)
著者 :水島広子
価格(税抜) :1300
ページ数 :159ページ
発売日 :2011/5/10
ISBN :9784804761848
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上司や同僚から仕事に対して嫌味を言われたり、セクハラまがいのことやプライベートについてまであれこれ言われたりしたら、怒りが溜まってしまいます。しかし怒りの感情は爆発させてしまうと人間関係にヒビが入り、我慢をしていると心の健康に悪影響を与えます。怒りはちょっとしたコツを身につけると消すことができるので、知らないと損をします。

この本は、精神科医で対人関係療法専門クリニックの院長である著者が書いています「我慢しましょう」や「頑張りましょう」などのような抽象的なアドバイスではなく、「見方と考え方を変える」という視点から実践すれば必ず効果のある具体的な方法が示されています。読み進めていくうちに「そうだったのか!」とまさに「腑に落ちる」体験を何度も繰り返した後、本を閉じた後になんともいえない爽快感を味わう事の出来る一冊です。

すでに怒りが頂点に達しているときは、この本を読んでも実行には移せないでしょう。冷静でいるときに読んで対処法を学んでおけば、怒りが発生しないようにできます。経験を積んで怒りたいと思っていても言葉を飲み込んでいた人は、本を読むことにより楽になれます。

 

イライラのループから抜け出す

すべての「イライラ」を根っこから絶ち切る本

出版社 :永岡書店
著者 :水島広子
価格(税抜) :580円
ページ数 :256ページ
発売日 :2013/3/19
ISBN :9784522476529
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イライラは体によくないとわかっていても、なかなかコントロールすることができません。対処法の解説本は数多くあり、読んでみても効果を実感できないこともあります。それは原因へのアプローチの仕方が間違っているのかもしれません。

この本ではイライラの原因についての解説に大半のページを割き、自分がイライラする理由が特定できます。対策は原因の根底から導きだされているから、実行すれば自分自身を鍛えられますイライラからの脱出は一朝一夕にできるものではありません。体質改善がすぐにできないのと一緒で、結果をすぐに求めず気長にトレーニングを続けていれば、自然とイライラから解放されています。

その場しのぎのイライラ解消で、本書のテクニックを使ってもそれなりの効果があるけれど、本質的な解決にはなりません。実践を続けて人生からイライラがなくなれば、生き方について考える余裕が生まれます。

 

理解できない壁は存在する

バカの壁

出版社 :新潮社
著者 :養老孟司
価格(税抜) :680円
ページ数 :204ページ
発売日 :2003/4/10
ISBN :9784106100031
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どんな人でも話せばわかるとは言うけれど、現実はそう簡単ではありません。どんなに頑張っても上司と折り合いをつけられなかったり、同僚や部下が筋の通らない言い分だったりと、匙を投げる状況はいくらでもあります。分かりあう努力は必要ですが、越えられない壁があることを知ることも大事です。

この本では人間が自分で理解できることが他者には決して理解されず、結局は自分の脳の中で壁を作ってしまっていることを知れます。話題は「バカの壁」を軸に戦争や犯罪、宗教、科学、教育、経済など幅広く展開し、著者独特の痛烈な批判がさえわたっています。

自分が理解できる土俵に相手を乗せることよりも、自分の理解と相手の理解の違いと乗り越えられない「壁」を理解して、適度な距離感で相手と接すれば、柔軟に人間関係を築くことが出来るようになります。

 

疲れ切った心を癒してくれる

がんばり屋さんのための、心の整理術

出版社 :サンクチュアリ出版
著者 :井上裕之
価格(税抜) :1100円
ページ数 :144ページ
発売日 :2012/5/22
ISBN :9784861139697
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悩みに対して積極的に立ち向かい、解決のための努力ができれば最善ですが、誰でもすぐにできるというわけではありません。悩みを抱え込み、自分自身を責めてしまっている人もいます。そんなときには無理をして頑張らず、心を癒すことが先決です。

この本は、心がつらくなったときの対処法や励ましが書かれていて、絵本のような優しいタッチの挿絵と共に、失いかけていた自分への信頼を回復することができます。つらくてつらくて、何かに縋りつきたい気持ちの時に読めば、自分を肯定的に見ることができ、また他人を思いやる余裕もできます。

負の感情が溜まりすぎてしまうと、人間不信になったり鬱になったりします。社会問題になるほど深刻な現状だからこそ、無理することをやめ、心の回復をはかりましょう。

 

あきらめ≠悪

人生を半分あきらめて生きる

出版社 :幻冬舎
著者 :諸富祥彦
価格(税抜) :800円
ページ数 :253ページ
発売日 :2012/5/30
ISBN :9784344982659
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現実は次々と問題が発生し、すべてに対処しようとすると体も心も持ちません。「ふつうの幸せ」と言われていたことさえ容易ではない現在、理想との乖離に絶望してしまいます。そんな中でどうすれば前に進むエネルギーを確保できるのかをこの本は教えてくれます。

諦めることを悪とせず、人生はうまくいくことの方が少ないのだから、頑張りすぎなくていいと冒頭から言っています。理想の職や結婚、豊かな老後を追い求めているときりがなく、自分ではどうにもならないことで阻まれることもあります。諦めることで心に余裕が生まれ、本当に必要な1割のことに力を注げば、生きる意味を見出すことができるでしょう。

経済状況が劇的に改善されることはすぐには望めません。しかし希望を持てないと何をするにも始められないです。全てを満たそうとせず、あきらめを受けいれれば、今より生きやすくなります。