小学校-教室

 

小学校教師の仕事は、物理的にも精神的にも負担が大きいです。なぜなら全ての教科を教え、学校行事の企画、保護者との面談などやることが山積みです。スポーツクラブを受け持っていれば毎日の活動に加え、土日も練習や試合に出なければなりません。仕事に公私の区別をつけるのも難しく、一般企業と違い残業代が支給されることもないです。過酷な労働環境で悩みも多く離職率は約50%で推移しています。

今回はそんな小学校教師の仕事の悩みを解決するおススメの本を5冊紹介します。考え方や仕事のやり方を変えて、生徒や保護者と良い関係を作りましょう。

 

一本筋の通った教育

街場の教育論

出版 :ミシマ社
著者 :内田樹
価格(税抜) :1600円
ページ数 :298ページ
発売日 :2008/11/15
ISBN :9784903908106
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日々の仕事に追われていると、そもそも「教える」とはどうゆうことかを忘れてしまいます。その場しのぎで対応し、周りの環境で方向性がぶれていては、教わっている方も困ります。自分の中に確かな指針が必要なのです。

この本は仕事の疑問に答えを示してくれる本ではありません。試行錯誤して自分で答えを出していくためのキッカケをくれる本です。教育というのはすぐに結果の現れるものではありません。生徒が言うことを聞いてくれないのは親のせいにしたり、環境のせいにしたりせず、現場の教師が精一杯頑張らなければならないと言っています。11のテーマで教育がどうあるべきかを考えてみましょう。

教育はビジネスとは違います。現場の人が理想をもって辛抱強く教えてくことが重要です。自分が何のために教師になったのかが思い出せます。

 

時間に追われる仕事から解放

成果を上げて5時に変える教師の仕事術

出版 :学陽書房
著者 :岩瀬直樹
価格(税抜) :1600円
ページ数 :116ページ
発売日 :2016/1/19
ISBN :9784313652767
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定時に帰る。たったこれだけのことなのに教師をしているとなかなかできません。その原因はどこにあるのか、どうやったら定時に帰れるのかをこの本は具体的に教えてくれます。

例えば今まで授業後にやっていたテストの丸つけを、授業時間内にやってしまう。間違いをその場で指摘出るので、子供の理解力も上がります。他には体調不良で休んでも対応できるように、自習プリントを常備しておく。このように一つ一つの行動を見直せば、仕事に追われることもなくなります。

教育の現場は時代の変化が顕著に表れ、対応もその都度変わってきます。十分な時間を確保して、自分自身の成長にも時間を使えるようにしましょう。

 

取り組むべき課題を認識する

まんがで知る教師の学び

出版 :さくら社
著者 :前田康裕
価格(税抜) :1800円
ページ数 :176ページ
発売日 :2016/3/25
ISBN :9784904785980
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新人だけでなく管理職でも読めば気づきのある本です。紹介されている事例は長年働いていると「あるある」と思えるネタばかりで、まだ遭遇していない人でも対策ができます。

本の中身はマンガなのに章立てられていて、「教師は生涯かけて教師になる」など、教師人生を歩んでいくうえで重要なセリフがちりばめられています。著者は現役の教頭先生だから、すべてがリアルです。主人公を見ていると、教師の仕事の楽しさが伝わってきます。

仕事で疲れ切った頭でもマンガだから読みやすく、しかも濃い内容で仕事に必要なことが学べます。1つ1つの事例の改善には時間がかかるので、時間を空けて何度も読むのが良いです。

 

投げ出さずじっくり取り組む

不登校は1日3分の働きかけで99%解決する

出版 :リーブル出版(高知)
著者 :森田直樹
価格(税抜) :800円
ページ数 :150ページ
発売日 :2011/8/30
ISBN :9784863380448
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不登校は学校でのトラブルや、無気力、家庭環境などさまざまな原因で発生します。単なる甘えと捉え根性論で指導をするのではなく、病気と捉え正しい治療法を行えば不登校はほぼ解決できます。

この本は不登校の子どもをもつ親向けに書かれています。しかし紹介されている方法は教師でも試せることがあります。普段のちょっとした働きかけで、子どもは自信を持ち、学校生活を楽しむことができます。本文は体験事例と結論で構成され、実行すべきことは色を変えて書かれているのでわかりやすいです。

不登校の完治には学校側だけでなく家庭双方からの対処が必要です。もし自分のクラスの子が不登校になったら、親にもこの本を薦めて一緒に問題を解決していきましょう。試して失敗しても諦めず、継続して関係をもつことが肝心です。

 

主張しなけりゃ改善しない

モンスターマザー

出版 :新潮社
著者 :福田ますみ
価格(税抜) :1400円
ページ数 :256ページ
発売日 :2016/2/18
ISBN :9784103036739
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モンスターペアレントという存在が当たり前にいる現在で、学校側は対応に膨大な時間を取られます。ただでさえ時間に追われている教師は、通常業務に支障をきたしてしまいます。この本はたった一人のモンスターが、メディアも巻き込み大問題になったノンフィクションです。最悪の事例からどうすればいいのかを考えましょう。

事件は不登校の高1男子が自殺したことから大きくなりました。母親は校長を殺人罪で刑事告訴し、弁護士や県会議員、マスコミも騒ぎ立て学校を追い詰めました。しかし事実は騒がれていることと真逆で、最終的に校長側が裁判で勝訴しました。

事例は高校ですが、同様のことは小学校でも起こりえます。一歩対応を間違うと当事者だけでなく周囲も不幸になってしまいます。教育問題は何かあると世間でも騒がれやすく、偏った見方をされるので、正しいことは声を大にして言いましょう。教育の現場だからこそ模範となる態度を取らないと、生徒からの信用もなくなってしまいます。