どんな仕事をしていても失敗をまったくしないことはありません。重要なのは失敗をしないことではなく、同じ失敗を繰り返さないことです。言い訳をしたり、誤魔化したりしている限りは成長がありません。そこで今回は同じ失敗を繰り返さないためのおすすめの本を5冊紹介します。実際に起こった失敗事例から、本質を学びましょう。
歴史から知る失敗の原因
失敗の本質 日本軍の組織論的研究
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この本は、大東亜戦争の各作戦で日本がどのような失敗をしてきたのかを追求し、その原因を浮き彫りにしています。歴史の本として読めますが、日本の組織としての失敗例とも読めます。企業のあり方に当てはめれば、組織改革の手助けになります。
ノモハン事件にレイテ海戦、ミッドウェー戦など大敗を期したケースには、どんな問題があったのかを膨大な歴史叢書かを導きだしています。プロセスの重視や環境変化への不適合、漠然とした戦略目標など、すでに半世紀以上前の出来事なのに現代でも繰り返されていることが目白押しです。
自分が当事者になっていると気づきにくいこともあるけれど、俯瞰して見てみれば一目瞭然です。歴史は膨大な経験の集積なので、学び直せば対策も立てられます。
戦略なき組織は破綻する
失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇
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前作は戦争の組織的な失敗に焦点をあてていましたが、今作は戦争で指揮をとっていたリーダーのあり方に言及しています。
リーダーには「現場感覚」「大局観」「判断力」が求められ、組織の中枢に調整型リーダーしかいなければ迷走と崩壊が始まります。山口多聞や辻政信を例に挙げながらリーダー像とはどんなものなのかも論じています。
本文はハーバードビジネスレビューに投稿された論文からの抜粋です。もっと詳しく知りたければ雑誌のバックナンバーを読むのも良いです。会社が行き詰っていると感じているなら、本書から気づかされることもあるでしょう。
失敗にはパターンがある
失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する
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全ての失敗は41種類に分類することができ、この原因を理解していれば同じ失敗は繰り返さないと論じています。それぞれの分類には実際に起きた事件を例に挙げているので、なるほどと思えます。
旅客機コンコルドの墜落と歩いている人が空き缶やバナナの皮ですべって転ぶことの原因は一緒である。これだけ聞くと驚くけれど原因を突き詰めれば納得の関係です。全178事例には、世界貿易センター崩壊やアポロ13号の生還など世界で注目を浴びた事件や事故があります。
本は分厚く専門的な内容に思えるかもしれないけれど、自分が関わる分野を読むだけでも発見はあります。イラストやグラフを多用し読みやすい配慮もされています。自分がもし失敗したらフォローをするだけでなく、原因を突き止めてこそ次に生きかすことができます。
失敗を失敗のままにしない
最新図解 失敗学 失敗から学び、想像に生かす
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「失敗学」を提唱した畑村洋太郎による、失敗学とはどんなものなのかを一から学べる入門書です。
失敗学は「原因究明」「失敗防止」「知識配布」の3つを核として、新しい技術の創造につなげるために活用されます。この本では事例を挙げながら、組織の個人やリーダーが失敗に向き合っていくにはどうしたらいいかを教えてくれます。福島原発事故も失敗学の視点から分析し、失敗から教訓を見出します。
マイナスのイメージが強い失敗ですが、プラスにできるかはそのあとの対応次第です。上で紹介した失敗百選の著者の大本だから、合わせて読むと理解が深まります。
ミスをしにくい仕組みを作る
仕事の「ミス」をなくす99のしかけ
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ルーティンワークをしている人ほど思いもよらないところで失敗をしてしまいます。一日中集中力を保つことはできないから、間違えないように仕組みや環境を作ろうというのがこの本の主題です。
仕組み作りを8つの段階に分け、具体的な対策を99個紹介しています。再発をなくすためにミスを共有したり、教育不足をなくすためにチェックシートを作ったりとすぐに試すことができます。
全部を試そうとすると余計な手間が増えてしまうので、盛り込むのは仕事に支障のない程度にしておきましょう。