うつ病などメンタル関連の問題は日に日に大きくなり、一定規模以上の事業者にはストレスチェック制度が義務化されました。今までは各個人の問題とされていたけれど、今後は組織としても取り組まないといけないです。メンタル問題で休職者をだしていては会社の印象は悪くなり、休職者以外の従業員にも影響が出ます。そこで今回は職場から休職者を出さないために、メンタルヘルス対策の本を紹介します。個人としての対応には限界があるので、組織として環境を整えて従業員の負担を減らしてみましょう。
形に残して同じ失敗を根本から解決
使える!活かせる!マニュアルのつくり方
出版社 | :日本能率協会マネジメントセンター | |
著者 | :日本能率協会コンサルティング | |
価格(税抜) | :1800円 | |
ページ数 | :240ページ | |
発売日 | :2006/12/27 | |
ISBN | :9784820744092 |
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現在職場の教育体制はどのようになっていますか?いつまでもマニュアルを作らず、OJTだけで社員の育成をしていませんか?OJTは優れた方法ではあるけれど、教える人によって落差が激しく、不運な新入社員はいつまでもキチンと仕事が覚えられずストレスを溜めていきます。仕事の基準が曖昧だと、失敗をして「それぐらい常識でわかるだろ!」などと言われても、わからないこともあります。最低限のことは間違えのないように決めておけば、同じ失敗を繰り返す頻度は格段に減り、社員の心の負担は軽くなります。
この本では、ゼロから事業の内部統制を文章化するための方法を、ステップアップで学ぶことができます。「計画」に「業務の洗い出し」、「業務手順の作成」など、初めてのマニュアル作成でも迷ことなく作成できるでしょう。今後のための更新のしやすさも考慮にいれた設計方法なので、一度作ってしまえば次回は短時間で作成しなおせます。
最低限でも構わないので基本事項がいつでも見られる形にしておくと、従業員は迷ったときすぐに確認ができ、上司は間違いが起こったとき相手に反省を促しやすくなります。従業員にとって理不尽な責め立ては辛いものです。マニュアルがあれば従業員も上司も嫌な思いをせずに業務の改善ができます。
サインを見つけ最悪の事態を回避する
職場のメンタルヘルス実践ガイド
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メンタルヘルスの問題は人と人が関わり続ける限りなくなることはなく、その対応も十人十色です。一度改善に成功したからといって、全く同じ方法が他の人に通じるとは限らないから、常に新しい方法を習得しておいた方がいいでしょう。最終的には自分にあった方法を確立し行かなければなりませんが、まずはパターン別に対策を学んでみましょう。
この本では管理職が部下のメンタルヘルスを管理するために、「見る」「話す」「聴く」「対処する」の4つの項目で、具体的にどんなことができるのかを教えてくれます。プライベートについて声をかけたり、部下の話を真摯に聞いたりするだけでも、心の負担は軽くなります。難しく考えないで試すことが重要です。
そのままマネをするのは難しい事例もあるけれど、まずは1つ体調が思わしくない部下を見つけて試してみましょう。話をしてみれば今まで気づかなかった部下の良い所を見つけることもでき、褒めれば今より良い結果を残しやすくなるでしょう。
制度から学ぶストレスチェックのやり方
ストレスチェック制度 担当者必携
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ストレスチェック制度が義務化されたけれど、義務を負わない小さな会社の方が、人間関係でストレスに影響を及ぼしやすいです。人数が少ないから従業員一人ひとりをじっくり見られていると考えていては、思わぬところで失敗してしまいます。せっかく制度があるのだから、それを利用して職場のメンタルヘルスを強化しましょう。
この本は、実務でストレスチェック制度を運用する人向けに書かれたマニュアルです。制度導入の目的からストレスチェック後の措置の仕方まで事細かに解説しています。義務を負わない人が使う場合は3章4章の実施時の注意事項や医師による事後措置の項目を読んで、今の職場での対応に問題がないかチェックできます。
自分なりに対策を練っているだけでは、気づかないうちに穴ができてしまいます。ストレスチェック制度が完璧とは言わないけれど、自分では気づけなかった項目の発見があります。細かな変更は厚生労働省のHPなどで確認できるから、定期的に見直して職場の改善に生かしましょう。
再発防止で従業員を大切にする
現場対応型 メンタルヘルス不調者 復職支援マニュアル
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どんなに対策を講じても大きな企業では、問題発生をゼロにすることは不可能です。そこで重要になってくるのが休職から復職までの明確なプラン作りです。部下がいきなり会社にこられなくなり、部署の業務に支障が出るようでは双方にとっていいことはありません。復職までの基本的な流れが誰にでもわかっていれば、心に問題を抱えている人は治療の申告がしやすく、再発の防止にもつながります。
この本では、産業医の実務経験者と弁護士のタッグによって、不調者に対する法的視点に基づいた具体的対策を練ることができます。復職1年後の再発率を45.8%→8.4%まで下げた方法から、今まで自社に足りなかった内容をあぶりだせます。産業医が常駐していない企業でも復職の支援方法も解説しているから、小さな事業所でも試しやすいです。
休職から復職までの流れが明確にわかるなら、メンタルヘルスケアが必要な人は、早期に治療を開始しやすいです。休職者にとって不安になる復職後が分かれば、治療に専念して休職期間も短くできます。社員を大事にする取り組みはおのずと周りからの評価が上がり、組織全体の仕事の質も上がってくれます。
従業員を強化して、対策の負担を減らす
「職場のメンタルヘルス」を強化する
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いくら組織としてメンタルヘルスに気を配っても、事後の対策ばかりしていては問題の発生を抑えることはできません。並行して従業員の強化を行って問題自体が起きないようにしないと、健全な組織とは言えないです。本来適度なストレスは成長を促してくれます。組織として成長するためには、業務の指導と共にメンタルの強化指導も行い、従業員の質を高めるのが最善です。
この本が目指しているものは「予防・成長型メンタルヘルス対策」です。これが成功すれば、従業員はやりがいをもって働き成果を上げることができます。実行するために正しいメンタルヘルスを理解し、コストも意識してストレス強化を図ります。事例はデータに裏付けされた解説なので、安心して活用することができます。
景気が安定しているとは言えない状況で、通常業務を行うのにさえメンタルヘルスに気を配り負担が増えていては、売上を上げる努力に力が入りきりません。予防・対処・事後処理のバランスがとれた体制を作って、仕事の本分に取り組めるようにしましょう。