名経営者に学ぶおすすめの仕事・人生哲学（3）

 

今回で3回目になりますが、いずれの本も成功するための教訓を失敗から学んでいます。しかし大きな失敗は誰しもしたくないものです。だから本を読んでその体験談から学ぶことは、人生の大幅な短縮になります。書かれている教訓が自分の身になり、成功までの道のりが詳細に思い描けるようになれば、成功はもう手の届くところまで来ています。自分が共感できる成功体験を見つけて、繰り返し読んでみましょう。

 

好きなことをとことん追求

スノーピーク「好きなことだけ！」を仕事にする経営

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著者の山井太は、年商45億円の優良アウトドアメーカー「スノーピーク」の社長です。毎年30～60泊をキャンプで過ごす熱狂的なアウトドアの愛好家で、ブランドとして成功した陰には商品開発への強いこだわりがあります。成功している企業には、それなりの理由があって成功しているということがこの本から学ぶことができます。

「品質に自信があるから製品の保証は永久」、「社員全員が自社製品のファン」、「本社の敷地内にキャンプ場がある」など、これらのことは全て「ユーザーの笑顔」のためという経営方針に従っています。テントを開発するときも1～2万円が主流の時代に、あえて16万8千円の商品を開発し差別化はかって成功しています。マーケティングよりもユーザー目線で作られる商品に、顧客が集まるいい例です。

自分も好きな商品を売るときは営業にも自然と力がはいります。今やっている仕事を好きになって熱量をもって挑めば、いやいや仕事をしているより、良い結果に繋がるでしょう。

 

芯は通して柔軟に対応

儲かる料理経営学

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村田吉弘はミシュランで三ツ星を獲得した、京都の老舗料亭「菊乃井」の3代目です。老舗という地位に胡坐をかくこともなく、飲食業界のグローバル化に大胆な経営方針いち早く対応し、一流のサービスを提供し続けています。話は全て飲食業界のものだけれども、経営方針はどの業界でも活用できます。

「変えることを恐れてはならない」、「組織を維持するための商売はするな」、「誰かが何かやってくれるのを待っていても、誰も何もしてくれません」など、漫然と仕事をしている人にはグサリと言葉が刺さります。本気で挑み時代に柔軟に対応している姿は、自分の仕事ぶりを見直すきっかけになります。

料理人を志している人にはこの本は大きな励みになり、それ以外の業界の人には、仕事をするうえでの一つの指針として本書を読んでみましょう。経営論ではあるけれど、仕事の教訓としても心に響きます。

 

志をもってフルスイング

振り切る勇気 メガネを変えるJ!NSの挑戦

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田中仁は、年間550万本のメガネを販売する日本一のメガネ会社「JINS」の創業者で代表取締役社長です。会社がここまで大きくなる過程には、成功よりも失敗の方が多く、一時は赤字にも転落した経営を立て直した戦略には、正しい方向に振り切るための知恵が詰まっています。

この本では、田中仁が起業してから失敗を体験し、今日の地位にたどり着くまでの物語を時系列順に語っています。「ユニクロの柳井氏に問われて固めた志」、「競争優位のために先を見据えた投資の覚悟」、「自社製品の良さをお客様伝えるための誠意」などは、理屈としてしっくりくるものです。

著者が成功をおさめた「Air frame」の勝負をかけた異例の発注のようなフルスイングの勝負は、実際にそのような場面に直面すると実行するのは難しいけれど、人生も仕事もどこかで振り切って頑張らないと成功できないです。

 

やるべきことは実行する

魂の経営

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古森重隆は富士フイルムホールディングスの代表取締役会長兼CEOで、デジカメ普及によるフイルム市場消失の危機を、イノベーションの転換により乗り越えることに成功しました。結果として主力商品の市場消滅を経験したのにもかかわらず、この本の発売当時売り上げは2兆円を超えています。

本文には富士フイルムが断行した改革の全貌が語られており、有事のリーダーシップや戦略の転換法を学ぶことができます。行った改革は現実を直視し、不必要と思ったところを切り捨て、自社の技術の本質を見極めて新しい分野にも挑戦することです。当たり前のことを思うけれど、大きな会社ほど実行は容易ではなく、その苦労がうかがえます。

大企業だからといって安心できなくなった昨今、危機管理を怠ることなく早めの手を打つことの重要性が増しています。この本を読んで自分ならどんなことができるのか考えて見ましょう。

 

どん底から世界に躍進

逆境経営

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桜井博志は今や世界で通用する日本酒「獺祭」を製造した、旭酒造の代表取締役社長です。山口県の小さな酒蔵で社長就任当時（1984年）、縮小が続く日本酒市場で再起をかけて純米大吟醸「獺祭」を開発しました。当時としては異例の杜氏を廃した社員だけの酒造りで、あらゆるトラブルを力に変えながら今日の成功に至っています。

この本では、筆者がいかにどん底から成功に至ったかのエピソードが、詳細に語られています。最終的にたどり着いた「『たったひとつ』を『最高のひとつ』に磨き上げる」、「『ああ、美味しい！』と言っていただける酒を造る」、「商品は王道を歩ませ、安易にブレない」という結論は、日本酒の製造販売だけに限らず人生の教訓として通用します。

人生に行き詰っていて悩んでいるなら、著者の成功ストーリーは気分を爽快にしてくれます。じっくりと戦略を練って実行に移せば、壁は乗り越えることができるでしょう。