前回に続いて今回も経営者から仕事の本質を学びたいと思います。成功している経営者は業界の規模に関わらず、突き抜けた考えで芯の通った経営をしています。成功ばかりに目が行きがちだけど、多くの失敗も経験しているので、逆境から立ち直る術は上を目指しているあなたにも存分に役立ちます。知っている業界から読んでみたら、成功への道のりがいかに大変かよくわかります。
靴下の神様が語る王道の人生訓
靴下バカ一代 奇天烈経営者の人生訓
Amazonで購入 | 楽天ブックスで購入 | 7netで購入 |
越智直正は、近年安い中国産が大半を占める靴下業界で、日本製にこだわり業界内で確固たる地位を獲得しているタビオの創業者です。大企業が目をつけなかった婦人用靴下に着目し、高品質の商品を作り続けています。会社を一代で成長させ、「靴下の神様」の異名を持つ著者の人生は失敗の連続でした。
この本では著者が丁稚で働いていたころから、息子に社長の座を継承するまでの物語を時系列順に語っています。経営は王道を歩み、随所に中国古典の引用を織り交ぜながら、そのときどきの心構えを解説しています。また丁稚時代に学んだ大阪商人の基本で、「儲けの秘訣は、貧乏人は金持ちを、
扱っている商品は靴下だけど、これを今自分が扱っている商品に置き換えてみれば、売上を伸ばすためのアイデアも浮かんでくるでしょう。成功のために戦う必要があるなら、己の理想のために戦った方が、頑張りがいがあります。
徹底した現場主義で苦境を乗り切る
俺は、中小企業のおやじ
Amazonで購入 | 楽天ブックスで購入 | 7netで購入 |
鈴木修は86歳(2016年現在)になったいまなお、四輪および二輪車のメーカーである「スズキ」で代表取締役兼社長を務める実業家です。現場にこだわり強いリーダーシップで、社長就任時から30年で業績を約10倍まで育て、軽自動車でトップの地位も固めました。
この本では著者が創業以来の苦境を乗り越え、当時の世界自動車不況にも立ち向かった激動の実話です。売上が3兆円に達しても、部品の大半をメーカーから買っているから実質の利益は少なく、著者はスズキを中小企業と位置づけ、どんな戦略ができるかを考え続けています。トップにはなれないけれど、大きな成功をするためになにをすればいいのかの指針を学べます。
本書が発売されてからも自動車業界には数多くの苦境が発生しています。それでもなお苦境を乗り越え世界に挑み続ける姿は、仕事でなかなか成果が出せないときの励みになります。
余計なものはいらない。本質を見抜け
シンプルに考える
Amazonで購入 | 楽天ブックスで購入 | 7netで購入 |
森川亮は急成長を遂げ大企業となったLINEの代表取締約社長に約8年就き、現在は動画メディア運営のC Channel株式会社を起業し社長業を行う会社経営者です。LINEがここまで成長できたのには、どんな経営が行われていたのかが、本人によってはじめてこの本で語られています。
タイトルにあるように経営の方針はシンプルで、徹底的に本質が何かを考え、そこにだけ100%の力を注ぐというものです。LINEの社員採用条件もシンプルで、条件は「ユーザーのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集める」です。開発も儲けよりユーザー拡大を目指すことを明言することにより、結果として圧倒的なスピードで新サービスの立ち上げに成功しています。
仕事をしていると、あれもこれもと並行してやってしまい、それなりの結果しか残せません。1つのことに集中すればいかに力を発揮しやすく、結果が伴いやすいのかを改めて気づかせてくれます。
ジャック・マーから学ぶ起業のヒント
Alibabaアリババの野望
Amazonで購入 | 楽天ブックスで購入 | 7netで購入 |
この本の主人公であるジャック・マーは、教師から起業して今や中国でもっとも成功した起業家です。日本ではアメリカや中国に比べて起業する人が少ないですが、起業は本来社会をよくしようという気概で挑んでいます。現状の職で満足するのも良いけれど、理想をもって挑戦する姿はこれからの人生を考えさせられます。
著者はジャック・マー本人ではないですが、ジャック・マーと深い関わり合いをもつ人物で、この本はジャック・マーの初の公認本となっています。アリババの創業前夜か現在に至るまでの自伝には、経営哲学と名言がいたるところに盛り込まれています。「理想があれば、あとは、誓いがあればいい。自分自身に、必ずやってやると誓うこと」、「投資家を探すのは妻を探すより骨が折れる。」などハッとさせられる言葉ばかりです。
変化の激しい時代であっても起業で成功するための秘訣は変わりません。今の職に不満があって転職を考えているなら、読めば起業も選択肢の一つとして浮かんできます。一度しかない人生だから、自分らしく生きるために検討してみましょう。
先に進み続ける行動力
史上最強のCEOイーロン・マスクの戦い
Amazonで購入 | 楽天ブックスで購入 | 7netで購入 |
この本で語られるイーロン・マスクはアメリカの起業家で、電気自動車、太陽光発電、民間の宇宙ロケット開発の事業を手掛けています。これらの事業は全て火星移住という壮大なゴールのために行われていて、今の日本の起業家ではなかなか見られない力強さを感じることができます。
そんなイーロン・マスクのこれまでの軌跡を、この本でなぞることができます。子どものころから独学のプログラミングで商業ソフトウェアを販売し、17歳で親の援助なしで独立して南アフリカからアメリカに移住しています。起業して初めての会社を買収されて3億7000万USドルの現金と、ストックオプション3400万ドル手に入れた後も、次々と事業を立ち上げ、成功を収めています。
留まることを知らないその行動力には、今の地位で満足してしまっている自分に、先に進む力を与えてくれます。起業はしなくても、志を大きくもって新しいことにチャレンジすれば、より良い人生を過ごすことができるでしょう。