人事部はよほど企業規模が大きくない限り、人事業務だけをやることは少ないです。経理や営業事務、法務に広報など他の業務を兼任しなければなりません。幅広い業務をこなさなければならないので、一つ一つの業務をキッチリ学ぶ必要があります。そこで今回は人事部が関わる業務の基礎が学べるおすすめの本を5冊紹介します。すぐに目に見える形で成果は現れないけれど、兼業している分野も人事の仕事に繋がっています。焦らずにじっくりと勉強していきましょう。
まずは担当部署から熟知から
はじめて人事担当者になったとき知っておくべき、7の基本。8つの主な役割。
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他の業務を兼任するといっても、本業がおろそかになってはいけません。人事部としてやったことはすぐには現れないけれど、確実に会社全体に影響をおよぼします。人事の失敗が続けば会社の存続も怪しくなる重要な仕事なので、気を引き締めてやりましょう。
この本は人事の仕事を全く知らない人向けの入門書です。人事部が行う業務を「人材を確保する」、「人材を活用する」、「人材を育成する」、「働き方をマネジメントする」、「報酬を支払う」、「安心して働くことができる環境を整える」、「社内コミュニケーションをよくする」の7つに分けて解説しています。読めば各業務で覚えなければならないことをリストアップでき、勉強を始めるための足掛かりになります。
本書はシリーズものになっていて、難易度別に緑、赤、青の順により専門的な内容になっていきます。人事の仕事をもっと知りたければ、順に読んでいきましょう。人事としての役割を理解できれば、すぐに結果が見えなくてもモチベーションが下がることはなくなります。
数学が苦手でも大丈夫
人事屋が書いた経理の本
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経理の仕事は数学が苦手だからと敬遠していませんか?簿記なんて勉強したことがなくても、基本を知れば決算書も読みこなせるようになります。会社のお金の流れを知ることは、人事の報酬管理や給与計算を考える助けにもなります。
この本は、人事屋が社内研修のマニュアルとして経理について書いているので、初心者が詰まりやすい所をキッチリカバーしてくれています。会社の会計の基本であるB/SやP/Lから始まり、資金繰りの考え方まで解説し、数字から会社の現状を把握できるようになります。出版されてから30年以上たっているけれど、今なお入門書として支持され続けています。
人事の業務の中には社員育成があります。教育研修には会計も含まれるから、基本を学んでおけば研修計画もすんなり立てられるようになります。研修には数学が苦手な人もいるので、本文の内容をアレンジすれば、初心者でも理解できる研修になります。
結果につながる収益の最前線
1億稼ぐ 営業の強化書
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成果が目に見えてわかる営業をサポートする営業事務は、ただパソコンやコミュニケーションのスキルがあるだけではいけません。担当者を十分にサポートするには、売り方をしっておかないと役立つ資料を作るのも難しいです。電話で顧客と関わることもあるので、対応を間違ってしまうと担当者の苦労も水の泡になってしまいます。
この本では、元野村証券の営業マンで成績ビリ支店を次々トップにのし上げた実力を持つ著者が、だれでも売れるためのセールスメソッドを解説しています。著者自身が実践した顧客管理や、フォロー、売上につなげる行動は、理論だけの本と違い熱量をもって伝わってきます。結果を得るために必要な努力はこんなにも必要なのだと認識が変わるでしょう。
売るために営業がするべきことが分かれば、おのずとどこをどうやってサポートすればいいのかが見えてきます。サポート側だから営業の仕事が客観的に見られて、人事の能力の評価方法や目標管理制度を決定する参考にもなります。
法律は知っているだけでは意味がない
企業法務入門テキスト
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企業法務は、ただ法律知識を知っているだけでは業務ができません。法律に触れることがあるなら、法律に触れない現実的な提案をしなければ、ビジネスが成り立ちません。妥当な案を提案して了承してもらうには、利害関係を調整するための交渉術も必要になってきます。
この本は架空企業の3人の法務担当が主人公です。ストーリー仕立てで、22の実務事例の解決する流れを知ることができます。「契約の審査と管理」、「取締役会運営」、「知的財産権」など、どれも企業の根幹にかかわることなので、ミスが許されません。緊張感があり奮闘する担当者の姿は、業務の励ましにもなります。
法律の知識は人事だとマネジメントの分野で力を発揮してくれます。労働基準法や就業規則、制裁に関するルール決めなど、法律に慣れ親しんでいたら、会社に合った決まりを作ることができます。全体のバランスが重要になる仕事なので、法務の実務が役に立ってきます。
全ての部署を把握する
この1冊ですべてわかる 広報・PRの基本
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人事部の仕事は社内のあらゆる業務に影響を与えます。だから他の部署のことをよく知らなければなりません。そこで役に立つのが広報の業務です。広報が発信する情報源は企画部の会議運営や工場の生産状況、IRの企業説明会など社内の全ての部署です。客観的に会社の動向を知ることができるので、広報の手法を学ぶことに意義があります。
この本は広報の仕事の基本を広く浅くコンパクトにまとめています。プレスリリースの作り方やメディアとの付き合い方、ネットやブログの活用法は、具体例で紹介しているので実践しやすいです。効果的に情報を集めて発信するには、社内と社外両方からアプローチしないといけないことが学べます。
広報の業務をしていると自然に全ての部署と関わることになるので、その時に身につけられる人脈やコミュニケーション能力は、人事の業務である社内環境の改善に一役買ってくれます。つき合いがあれば表面には出てこない社内の問題に気づけるかもしれません。